不当解雇を争う

まず最初に考えること:辞めたいか、辞めたくないか、条件次第か

 解雇や雇止めが問題となるとき(退職勧奨(たいしょくかんしょう)されたときも含めて)、まず考えるべきことは、自分が勤務先を辞めたいのか、条件によっては辞めてもいいのか、辞めたくないのかです。
 そして、この段階で一番大事なことは、自分から辞める(退職届を書くなどする)と、裁判等で争えないということです(ただし、「諭旨解雇(ゆしかいこ)」「諭旨退職(ゆしたいしょく)」などの懲戒処分を通告されたために退職届を書いた場合は別です)。
 退職の条件をよくするために交渉する場合でも、自分から退職してしまっては、使用者側からいい条件を引き出すことは困難です。
 退職勧奨を受けたり解雇通告を受けたときの対応では、そのことをよく考えて対応しましょう。
 これについては「退職勧奨に対する対応」の項目でより詳しく説明します。

解雇等を争う第1ステップ:解雇理由証明書等を請求

 解雇や雇止めを争う場合の第一歩は、解雇や雇止めの理由を使用者に文書で出させることです。裁判等での争点は、使用者が解雇等の理由とした事実があるか、それが合理的な理由といえるか、解雇まですることが相当かということですし、近時は後になって「解雇などしていない。自分でやめていった」などと言い出す姑息な使用者がいますのでそういうやり方を防ぐ意味もあります。これについては「解雇されたら(解雇通告に対する対応)」の項目で説明します。

解雇等を争う第2ステップ:解雇等の有効・無効の判断

 使用者側が主張する解雇等の理由を特定したら、それを検討して裁判になったとき解雇が無効と判断できるかどうかを検討します。その検討結果によって、何を目標にするか、どのような手段をとるかを判断することになります。ここは、まさしく弁護士の経験と知識、事実についての洞察力と想像力が試される場面です。これについては「解雇の有効無効(解雇権濫用の判断)」で説明します。

解雇等を争う第3ステップ:争う手段の選択

 解雇等を争う場合、どのような法的手段をとるべきでしょうか。労働者自身がどのような解決を希望しているか、事案の特徴で選ぶべき手続は変わってきます。これについては「解雇を争う手段(不当解雇と闘う手続)」の項目で説明します。

係争中の生活費の確保

 解雇されると、日本の制度では労働者に賃金が支払われません。解雇を法的に争っている間、どうやって生活費を確保するかが問題となります。雇用保険(失業保険)、賃金仮払い仮処分、他の会社等での勤務などを合わせて「係争中の生活費の確保(解雇を争う間の生計の維持)」の項目で説明します。

退職金請求

 退職はかまわないが退職金は支払ってほしいという場合もあります。その場合については「退職金請求」の項目で説明します。

解雇予告手当

 解雇予告手当については、さまざまな誤解もあります。解雇を争う場合は労働者側から請求すべきではありませんし、解雇予告手当を支払えば解雇理由がなくても解雇が正当化されるわけではありません。それについては「解雇予告手当」の項目で説明します。

有期契約労働者の更新拒絶(雇止め)の場合

 労働契約の期限(期間)が定められている場合に、その期間満了時に更新を拒絶された(雇止めをされた)場合、解雇と同様に扱える(理由が不合理だとか相当でないと争える)ためには、繰り返し更新されているなどの「契約更新の合理的期待」「雇用継続の合理的期待」が必要となります。それについては「雇止め(有期契約労働者・契約社員の雇い止め)」の項目で説明します。

定年後再雇用の場合

 定年後に同じ会社またはグループ企業で継続して「再雇用」された場合、期間1年の契約の形をとることが多いですが、この場合は、通常65歳までの更新の合理的期待があります。しかし同時にその勤務先が労使協定で定める更新基準(使用者が容易に更新拒絶できる内容であることが多い)が適用されることがありますので注意が必要です。これについては「定年後再雇用労働者の雇止め」の項目で説明します。

従業員兼取締役の場合

 従業員が出世して取締役になった場合、取締役になっても取締役になる前と同じ業務を担当し続け、さらには賃金も結局は取締役になる前と同じということが少なからずあります。そのような場合、取締役でも従業員としての地位もあると考えられます。この従業員兼取締役が解任された場合、労働者としての地位は残り賃金請求は可能なことが多いと思います。これについては「従業員兼取締役の解任」の項目で説明します。

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